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虫歯の原因

私たちの口腔内には様々な細菌が棲息していますが、虫歯の最大の原因は、ミュータンス菌というバクテリアです。ミュータンス菌は、口腔内に残った糖質を養分として増殖してゆき、 グルカンというネバネバの物質を作り出して歯の表面にしっかりと粘着します。このようにして、細菌が増殖し、歯に付着した塊を歯垢(プラーク)と呼びます。歯垢とは、単に食べ物の残りなのではなく、 バクテリアの塊であると言えるでしょう。

同時にミュータンス菌は、糖質を分解して乳酸などの酸を放出します。これによって、通常、中性に保たれている口腔内のpH(水素イオン指数)は酸性に傾いてしまいます。健康な状態でpH6.8(中性)に 保たれている口腔内では、歯が溶けることはありません。しかし、ミュータンス菌が放出する酸により、pHが5.5を下回ると、歯の最も外縁部にあるエナメル質がまず、溶かされていきます。 この作用を脱灰と言います。

一方、私たちの口腔内では、絶えず唾液が分泌されています。唾液は口腔内をアルカリ性に引き戻す作用を持っており、一旦、酸性に傾いた口腔内は約30~40分前後でアルカリ性となり、溶かされた歯が補修されます。 この作用を再石灰化と言います。

口腔内にミュータンス菌があれば、私たちが食事を摂らなければならない以上、必ず脱灰と再石灰化が起こります。つまり、私たちの口腔内は常に、酸性とアルカリ性の間を行ったり来たりしており、 脱灰と再石灰化が繰り返し行われているのです。脱灰のスピードが再石灰化のスピードを上回ったとき、歯はどんどん溶かされてゆき、虫歯が発生してしまいます。